お知らせ

2025年10月26日お知らせ / トピック

技能五輪全国大会に行きました。

愛知県国際展示場[Aichi Sky Expo]など15会場で開催された、「第63回技能五輪全国大会」を見学に行きました。

全42職種の競技に1,000名を超える選手が参加されたということです。

私は、大工さん、左官屋さん、タイルやさん、建具やさん、家具やさんの競技会場だった愛知県国際展示場に10月18.19日と2日間、足を運びました。

 

技能5輪についてはこちら⇩

2025ns_skillhandbook.pdf

 

1日目、会場に入ったのが14時ころでした。

建築に関する競技はD会場。

会場内に入ると、様々な工具が動き作業する音が耳に飛び込んできました。

熱気むんむんというより、緊張感がただよう光景でした。

 

そこは、初めて見るものづくりを目指す若者たちの熱い競技の場でした。

先ずは会場を一回り。

会場入り口付近から広がっていたのは、建築大工の競技会場でした。

課題が張り出されています。

図が合板の上に書かれているのがいいです。

大工さんの図面は手板に墨で書かれるのですが、それを踏襲しているのでしょうか。

この図から形にしていくのですが、とても複雑な図です。

完成モデルと刻まれた部材モデルが展示されています。

実に複雑な組み合わせ絵と接合部で、様々な角度に木材を加工しなければなりません。

もくもくと刻みに入る前の墨付け作業しています。

 

その左側奥は建具の競技場になっていました。

ここは女性の競技者が目立ちました。

なんかうれしい気持ちになります。

その横が家具製作の競技場です。

これが家具部門の完成モデルです。

開き戸付き、中に小引きだし付きのライティングデスクです。

上下開閉式の扉を手前に開き水平にするとライティングカウンターになる仕様です。

こちらも女性の競技者が多かった印象です。

 

家具競技場の右側がタイルコーナーです。

壁のタイル張りと床のタイル張りです。

壁にはタイルを切り貼り(切り抜きもある)して、きれいに文字と飛行機を描かなくてはなりません。

床はモルタル下地を作り斜め張りです。端部の切断の精度が評価ポイントになるのかなと感じました。

課題は⇩

ものづくり大学の女性の学生さんがチャレンジしていました。

今まで現場では、女性のタイル職人さんは見た経験はありません。

砂とセメント、水を混ぜながら、トロ舟の中で手ぐわを使って練って土間に平らに塗っていく。

セメントの粉をかぶりながら練る姿、それが女子大生、少し驚きました。

 

そして、左官コーナーへ

下が競技の解説ボードです。

 

 

ほとんど競技2日目の午前中には終了しなければならない時間配分でした。

その為、前日よりさらに真剣さが増す時間との戦いになっていました。

次第にどの競技場も、課題が形になって見えてきます。

 

競技者には声をかけることは禁止されています。

ご家族、企業、大学などの応援される人たち、そしてコーチの方々が

応援する選手の近くに集まっています。

競技場は大きく四角に区切られていて、通路側は見学する人との距離が近く、中央側では周囲の人の目は遠くなります。

これは競技のハンデになるのではと思いましたが、でも、みんな競技に集中してそのようには見えません。

審査の目は、完成度だけでなく制作過程に向けられていたように見えました。

制限時間は競技ごと異なり、制限時間に達するとホイッスル会場に響きます。

余裕がある人、もう少しの人、なかなか手から道具が離せません。

未完成で悔し涙を流す人も。

一生懸命練習を積んできたけど思うような結果を出せなかった悔しさ。

でも、頑張ったことに対しての満足感。

スポーツのアスリートに似たシーンを見ているようでした。

こうして昼過ぎにはほとんどの競技が終了しました。

心に残ったのは、真剣な若者達のものづくりに取り組む姿、表情。

そして同じ課題であっても道具の使い方や作業手順が様々だったことです。

ものづくりには基本があり、その基本の上に自分なりの技能、技術が足されていく。基本が抜けたら、どんなにきれいに完成しても長く維持できない。

ものには機能と耐久性そして美しさが求められる。

審査の目は、完成度だけでなくどちらかと言えば制作過程に向けられていたように見えました。

 

技能五輪全国大会は、国内の青年技能者(原則23歳以下)を対象に、

技能競技を通じ、青年技能者に努力目標を与えるとともに、

技能に身近に触れる機会を提供するなど、広く国民一般に対して技能の重要性や必要性をアピールし、

技能尊重機運の醸成に資することを目的として実施する大会です。

 

これが大会の主旨でそこに、広く一般にアピールとあります。

一般の方にものづくりに励む若い人の姿を見ていただくことはとても大事なことだと思います。

ものづくりの現場を作ってくれるのは、一般の方々だからです。

そして、ものづくりの現場に人が集まりにくくなっている現状にあっても

こんなに情熱ある若者の姿があることを知る機会になり

参加して「本当によかった」と思っています。

 

最後に、とても楽しみなことをお知らせしたいと思います。

2028年には技能5輪国際大会が2028年11月15日(水)~ 20日(月)で日本で開催されることです。

※インターネットからの情報です。

 

2028 年に開催予定の第 49 回技能五輪国際大会について、9 月 9 日(月)にフランス共和国(リヨン)で開催されたワールドスキルズインターナショナル総会での加盟国・地域による投票の結果、開催地として日本(愛知)が選ばれました。
技能五輪国際大会の日本での開催は、1970 年の東京、1985 年の大阪、2007 年の静岡に続き 21 年ぶり 4 回目となります。

参加予定65か国以上、

選手:約1,700人

関係者:約3,600人

来場者:約30万人

WorldSkills2028.comから出典

WorldSkills Aichi 2028 | WorldSkills.jp

 

是非、みんなで盛り上げましょう。