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2026年06月22日

手仕事の国

手仕事の国

6月20日、しずみん(一般社団法人しずおか民家活用協議会)の年次総会に参加しました。

総会にあわせて、日大名誉教授・天野光一先生による基調講演「民藝としての民家 ― 使うことで生まれる美」が行われました。

講演では、日本民藝協会を創設した柳宗悦の思想をもとに、古民家との向き合い方についてお話しいただきました。

柳宗悦は民藝品の特性として、実用性、無銘性、地方性、伝統性など九つの特徴を挙げています。それらは、地域の無名の職人たちが、暮らしのために生み出し、使い継がれてきたものに共通する価値です。

※9つの特性については、最後に書きました。

私の友人、漆畑博義さんが描かれた静岡のご実家

 

天野先生は、「この九つの特性は、そのまま古民家にも当てはまるのではないか」と語られました。

確かに民家は、地域の大工や職人たちが、その土地の気候風土に合わせて建て、地域の人々が暮らしの中で使い続けてきた住まいです。

一つひとつの解説を聞きながら、「古民家を守る」とは単に建物を保存することではなく、「使い続けること」なのだと改めて感じました。

もちろん、昔の暮らしをそのまま再現することではありません。現代のライフスタイルに合わせながら、日本の暮らしの中で育まれてきた美しさや豊かさを受け継ぎ、次の世代へつないでいくことが大切なのだと思います。

民家再生に関わる作り手、住まい手さん、行政などが、それぞれの立場で民藝の九つの特性を失わないよう努める。その積み重ねによって、日本の住文化は未来へ受け継がれていくのですね。

日本民藝協会のホームページには、「柳宗悦が日本を『手仕事の国』と呼んだ由縁である」と記されています。

地域の大工さんや職人さんたちが手仕事で建ててきた民家は、まさに「手仕事の国の暮らしの場」だと思います。

古民家だけではありません。これから建てられる新しい住まいもまた、新しい技術とともに手仕事が息づくことで、日本らしい住まいとして育っていくのではないでしょうか。

講演を聞きながら、地域で手仕事を守り続けている普通で熟練の職人さんたちの存在こそ、これからの住文化を支える大切な力なのだと、改めて感じた一日でした。

絵ことば「職人さんを応援したい絵本」を持参しましたが、皆様にたくさん買っていただきありがとうございました。

これは、出来たばかりの「畳やさん編の続き」です。

 

■日本民藝協会HPはこちらから

「民藝」の趣旨―手仕事への愛情 | 民藝とは何か | 日本民藝協会

■しずみんHPはこちらから

しずみんホーム – (一社)しずおか民家活用推進協会

 

民藝の9つの特性

柳宗悦は民藝品の特性として次の9つを挙げています。

  • 実用性・・・暮らしの中で使われるもの
  • 無銘性・・・無名の職人によるもの
  • 複数性・・・多くの人の暮らしに応えるもの
  • 廉価性・・・手に届く価格であること
  • 労働性・・・熟練した手仕事によるもの
  • 地方性・・・地域の風土に根差していること
  • 分業性・・・多くの人の協働によるもの
  • 伝統性・・・先人から受け継がれた技術や知恵
  • 他力性・・・自然や風土の力に支えられていること

確かに古民家は、地域の職人さんたちが地域の材料や知恵を活かし、人々の暮らしのために建ててきた住まいです。

これら9つの特性を一つひとつは日本の民家にも当てはまり、民家を守るとは建物を保存することだけではなく、「使い続けること」であると理解できました。