後継者がいない。
これは日本が抱える人口減が原因なのでしょうか。

家づくりやリフォームの現場では専門の技術や知恵や経験、
そして丁寧に手入れされた道具や作業場を持った職人さんたちがいます。

1980年代は働き盛りの職人さんたちが大勢いて現場には活気がありました。
当時40代だった職人さんたちは今では70歳を超えていきます。
身体がきつくても任された仕事への期待に応えようと汗を流してくれています。
家業として代々つないできた職人さんの技や知識はバトンタッチするタイミングを超えています。
培った技術や経験がそのままにシャッターが下ろされていきます。
このままではこの先、再び若い力が戻ってきた時には身近な良き指導者を失っていることになります。

「俺の代でもういいかな」なぜそんな気持ちにさせてしまうのでしょうか。

明らかに見えている課題、そしてこころの中にある思いや夢や悩み。
職人さん、現場や設計、経営に携わる方々、そして住い手の方々、
実情の把握や理解度にはまだ温度差があります。

「職人さんの汗と夢」この絵本作りの小さな活動が
1つのきっかけになり、同じような気持ちでいる方々と課題や期待や夢を語り、
連携と協働が生まれたらどんなに素晴らしいことかと思います。

家づくり、ものづくりの技術や思いが気持ちよく人から人へと伝わっていく。
是非、皆様からご助言、ご支援、ご声援をいただけます様お願い申し上げます。



職人さんの汗と夢 杉村喜美雄

お知らせ

BLOG

  • 2023.09.20

    職人さんに厳しい夏

    東京駅八重洲口前の工事現場でショッキングな事故がありました。 亡くなられた職人さんのご冥福をお祈り申し上げます。 私はゼネコンでビル工事の現場監督の経験があり、他人ごととは思えませんでした。 先月も東京八重洲方面に出かけていました。 工事現 …

  • 2023.09.13

    畳屋さん編作成に当たり訪問させていただいた畳屋さんから

      10月1日発刊となりますたたみやさん編作成時に お邪魔させていただいた岩堀畳店さんからメッセージをいただきました。 丁寧なそして未来に向けたメッセージを拝読し あらためて勇気と責任を感じました。   そしてとてもうれ …

  • 2023.09.10

    イギリスから豊かな暮らしと生き方を考える雑誌「ミスターパートナー」に掲載されました。

    イギリスから豊かな暮らしと生き方を考える雑誌「ミスターパートナー」 10月号に掲載されました。   58~59pの見開きページです。 絵本製作までの過程や課題そして夢などを取材を通して 紹介してくださいました。 今回の取材から 何 …

  • 2023.09.06

    職人さんの会合に参加させていただきました。 8月

    今回で3回目になる職人さんのミーティングに参加させていただきました。 場所は豊川市です。   豊橋駅 ㈱イトコーさんという工務店さんのイトコーマイスターズと名付けた 協力会の定例会合です。 場所は豊川市商工会議所でした。 &nbs …

  • 2023.08.15

    職人になるきっかけ 高度成長期

    「おい、きょう手が足りないから手伝ってくれ」 「いいよ」 それは夏休みの始め 中学生の息子さんはお父さんの現場に出かけていく。 。 「今日もいいか」 「ウーーン、いいよ」   そうして夏休みのほとんど父さんの仕事を手伝った。 「お …

  • 2023.07.05

    職人さんのおかげでオリジナルの建具で季節を楽しめます。

    もう25年以上前、自宅のリフォームで建具屋さんに作ってもらった障子です。 北側にあるアルミサッシの内側の障子です。 普通ですとこの形で収まってしまいますが もっと内外を楽しめるようにしたいなと、真ん中を動く障子にしてもらいました。 動かし方 …

住まいを作る職人さんのご家族を
応援する絵本を作り届けたい。

難しかった「誰に向けて」

お父さんの仕事しているところ初めてみたよ。たくさんの道具に初めてさわったよ。
すごい技術なんだ初めて知ったよ。悩んでいることも初めてわかったよ。
お父さんが大切にしていること本当に大切だと僕も私も気付いたよ。すごい、ありがとう。
職人さん家族のある日常を描く小さな絵本「絵ことば」、そこには職人さんの汗そしてご家族の夢。
これまで接してきた職人さんに思いを寄せながら描かせて頂いた職人さんご家族の日常です。
そこから何かが始まる、動き出す、広がる。

絵本製作はすべて初めての体験です。
とても難しかったのは「誰に向けて」を決めることでした。

絵本の目的は 
1,職人さんご家族に喜んでいただけること
2,職人さんやその仕事に興味を持っていただく機会づくり
3,同じ思いの方との接点づくり     
 です。

対象者として描いたのは10歳ぐらいの子供たちから大人の方でした。
でも、それは私には難しすぎました。
現状をそのまま伝えるべきか、いや職人さんっていいなって夢を描くべきか。

職人さんご家族や外国の方、いろんな方に届いたら、どんな声が返ってくるのでしょうか。

職人さんにはもてる技術、技能を活かせる仕事が継続的に必要です。
それを支えて下さるのは仕事を作ってくれる住まい手の皆様です。


ぜひ、手に取ってください。ご意見、ご感想をお聞かせください。
そして出来ることなら協働へと道がつながっていくことを願っています。


英語版も作成していきます。
日本の職人さんの存在は外国の方にも響くものがある。
英語を学ぶ子供たちの教材に。

日本の家は南北に長い日本の気候風土の中で培った素材や技術そして文化や価値観でつくられています。
戦後、家のつくり様は大きく変化しています。職人さんがいてこそ実現し継承される家づくりがあります。
地震が少ない国ではレンガや石積みの組積造、熱帯地域では木や草などを駆使した住まいづくり。
森林が多い国では木の家づくりが発達しています。

日本は四季があり、森林に恵まれ四方を海に囲まています。
その環境で育まれた日本独自の技や素材は住まいだけでなく多くのものづくりに活かされています。

今、日本を旅する外国の方が増えていて
日本の伝統文化や建物などに触れながら旅します。
その方たちに日本の職人さんの存在をもっと知ってもらうことが出来たら、
もっと興味を抱いて見て触れてもらえると思いました。
きっと外国の方に伝わるものがある。
そしてそれは言葉や表情で伝わって職人さんご家族の喜びとなっていく。
また、英語を学ぶ子供たちがこの英語訳絵本に出会い
職人さんに興味を持ち同時に英語を学んでいく。
「絵ことば」教材となって職人さんの理解が深まっていく。

職人さんの汗と夢を描き課題に向かう時、
その道は可能な限り広く縦横に広がることが必要だと感じています。
私たち、業界だけでは限界があります。
英訳版絵本が新たな出会いやチャンスを生むかもしれない。

英訳版、日本語版2冊がうまくかみ合って小さな花が咲くことを願っています。


  • 日本の古民家のリフォームされた玄関

  • ドイツのブロック積みの家

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「絵ことば」をお届けした職人さん方