後継者がいない。
これは日本が抱える人口減が原因なのでしょうか。

家づくりやリフォームの現場では専門の技術や知恵や経験、
そして丁寧に手入れされた道具や作業場を持った職人さんたちがいます。

1980年代は働き盛りの職人さんたちが大勢いて現場には活気がありました。
当時40代だった職人さんたちは今では70歳を超えていきます。
身体がきつくても任された仕事への期待に応えようと汗を流してくれています。
家業として代々つないできた職人さんの技や知識はバトンタッチするタイミングを超えています。
培った技術や経験がそのままにシャッターが下ろされていきます。
このままではこの先、再び若い力が戻ってきた時には身近な良き指導者を失っていることになります。

「俺の代でもういいかな」なぜそんな気持ちにさせてしまうのでしょうか。

明らかに見えている課題、そしてこころの中にある思いや夢や悩み。
職人さん、現場や設計、経営に携わる方々、そして住い手の方々、
実情の把握や理解度にはまだ温度差があります。

「職人さんの汗と夢」この絵本作りの小さな活動が
1つのきっかけになり、同じような気持ちでいる方々と課題や期待や夢を語り、
連携と協働が生まれたらどんなに素晴らしいことかと思います。

家づくり、ものづくりの技術や思いが気持ちよく人から人へと伝わっていく。
是非、皆様からご助言、ご支援、ご声援をいただけます様お願い申し上げます。



職人さんの汗と夢 杉村喜美雄

お知らせ

  • 2025年01月30日未分類

    瓦屋さん編と板金やさん編がようやく完成します。

    畳屋さん編を発刊してから約1年半、瓦屋さん編と板金やさん編が印刷、製本するところまでやってきました。 4月の発刊を目指して作業を進めています。 瓦やさん編では鯉を主人公にして瓦やさんの姿を描きました。 瓦屋さんの実家での物語り、おばあちゃん …

  • 2025年01月03日未分類

    あけましておめでとうございます。

    あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 本年も職人さんご家族を応援する絵本「絵ことば」の活動を続けていきます。 板金やさん編、瓦やさん編を春に、建具やさん編を暮に発刊したいと思います。 活動紹介の小さなイベントも …

  • 2024年11月17日トピック

    東京都練馬区で開催された「おしごと体験はどうだい?」

    10月26日(土)、東京都練馬区で「おしごと体験はどうだい?〜こどもと中小企業をつなぐプロジェクト2024〜」が開催されました。 東京都左官組合連合会 令和会さんが参加し、子どもたちが左官体験されました。 ・主催:大同生命保険株式会社・運営 …

  • 2024年11月08日未分類

    能登と職人さん

    大きな地震、そして大きな水害、重なった2つの大きな自然災害。 1月1日の地震からもうすぐ1年、大きな水害から1か月半経過しています。 被災地には多くの職人さんたちが応援に入りました。 そして、今もたくさんの職人さんたちが頑張って下さっていま …

  • 2024年09月29日未分類

    新海畳店さんと長澤瓦商店さんが静岡ファクハクに参加されます。

    ファクハク 静岡工場博覧会は、静岡のものづくりの魅力を、 オープンファクトリーを通じて発信する取り組みです。 静岡は、海、山と大きな河川が流れる天然資源に恵まれた“モノづくり”に適した場所。さかのぼること、徳川家康大御所時代、全国から優秀な …

  • 2024年08月18日未分類

    絆(きずな)になった壁(かべ)

      土佐しっくいを 塗りました はじめて 塗りました。 わらと しっくいが混じった やさしい黄土色 ぬるぬる ベトベト 見るのとやるのとは 大違いだったけど どこか 泥んこ遊びのようで 気持も体も 幸福な時間を楽しんでいました。 …

BLOG

  • 2025.02.18NEW

    被災木造住宅の復旧・耐震化支援シンポジウムに参加して

    2月のはじめ、名古屋工業大学で開催された、被災木造住宅の復旧・耐震化支援シンポジウムに参加しました。 基調講演は名古屋工業大学大学院教授の北川啓介様の「インスタントハウスの開発秘話と被災地支援活動報告」でした これが災害時の仮設住宅などに使 …

  • 2025.02.14NEW

    新3K+k

    先日、テレビで奥村組さんのcmを見ました。 これからは今までの3Kとは違って新しい3Kの時代なんだよ。 このような内容のCMでしたk 3Kとは?・・・   給与・休暇・希望 + かっこいい  でした。   私は、職人さん …

  • 2025.01.30

    サンシャイン・ラボ様のイベントで「絵ことば」紹介いただきました。

    浜松市で「お日様と共に 暮らす快適な住まい」を提案しているサンシャイン・ラボさんのイベントで「絵ことば」ご紹介いただきました。 サンシャイン・ラボさんのHPにこのようなことが書かれているところがありました。 サンシャイン・ラボ | 太陽熱で …

  • 2025.01.22

    雄勝の天然石屋根材の産地へ その❸

    雄勝の帰り道、松島町の瑞巌寺に寄りました。 海からの距離もなく津波の影響はどんなであったかも知りたかったからです。 瑞巌寺で場内の見守りにあたっていたお寺の方に聞くと 津波は松島の島々によって波の勢いが弱まり、参道の途中までで止まってくれた …

  • 2025.01.15

    雄勝の天然石屋根材の産地へ その❷

    仙台駅から石巻線へ、そして終点女川駅へ。 ここから先の交通手段は車になります。 駅に着くと周りはすっかり暗くなっていました。 ここで、意表を突かれたのは駅から海に向けって広がっているイルミネーションです。 駅には、今夜泊まる民泊さくらさんが …

  • 2025.01.04

    雄勝の天然石屋根材の産地へ その❶

    昨年12月、雄勝石スレートの産地を見たくて宮城県石巻に行きました。 なぜ?雄勝(おがつ)に。 昨年春ごろ、東京のある板金やさんからお電話いただきました。 「お前、いいことやってるな」と職人さんを応援する絵本活動について共感いただいたお電話で …

住まいを作る職人さんのご家族を
応援する絵本を作り届けたい。

難しかった「誰に向けて」

お父さんの仕事しているところ初めてみたよ。たくさんの道具に初めてさわったよ。
すごい技術なんだ初めて知ったよ。悩んでいることも初めてわかったよ。
お父さんが大切にしていること本当に大切だと僕も私も気付いたよ。すごい、ありがとう。
職人さん家族のある日常を描く小さな絵本「絵ことば」、そこには職人さんの汗そしてご家族の夢。
これまで接してきた職人さんに思いを寄せながら描かせて頂いた職人さんご家族の日常です。
そこから何かが始まる、動き出す、広がる。

絵本製作はすべて初めての体験です。
とても難しかったのは「誰に向けて」を決めることでした。

絵本の目的は 
1,職人さんご家族に喜んでいただけること
2,職人さんやその仕事に興味を持っていただく機会づくり
3,同じ思いの方との接点づくり     
 です。

対象者として描いたのは10歳ぐらいの子供たちから大人の方でした。
でも、それは私には難しすぎました。
現状をそのまま伝えるべきか、いや職人さんっていいなって夢を描くべきか。

職人さんご家族や外国の方、いろんな方に届いたら、どんな声が返ってくるのでしょうか。

職人さんにはもてる技術、技能を活かせる仕事が継続的に必要です。
それを支えて下さるのは仕事を作ってくれる住まい手の皆様です。


ぜひ、手に取ってください。ご意見、ご感想をお聞かせください。
そして出来ることなら協働へと道がつながっていくことを願っています。


英語版も作成していきます。
日本の職人さんの存在は外国の方にも響くものがある。
英語を学ぶ子供たちの教材に。

日本の家は南北に長い日本の気候風土の中で培った素材や技術そして文化や価値観でつくられています。
戦後、家のつくり様は大きく変化しています。職人さんがいてこそ実現し継承される家づくりがあります。
地震が少ない国ではレンガや石積みの組積造、熱帯地域では木や草などを駆使した住まいづくり。
森林が多い国では木の家づくりが発達しています。

日本は四季があり、森林に恵まれ四方を海に囲まています。
その環境で育まれた日本独自の技や素材は住まいだけでなく多くのものづくりに活かされています。

今、日本を旅する外国の方が増えていて
日本の伝統文化や建物などに触れながら旅します。
その方たちに日本の職人さんの存在をもっと知ってもらうことが出来たら、
もっと興味を抱いて見て触れてもらえると思いました。
きっと外国の方に伝わるものがある。
そしてそれは言葉や表情で伝わって職人さんご家族の喜びとなっていく。
また、英語を学ぶ子供たちがこの英語訳絵本に出会い
職人さんに興味を持ち同時に英語を学んでいく。
「絵ことば」教材となって職人さんの理解が深まっていく。

職人さんの汗と夢を描き課題に向かう時、
その道は可能な限り広く縦横に広がることが必要だと感じています。
私たち、業界だけでは限界があります。
英訳版絵本が新たな出会いやチャンスを生むかもしれない。

英訳版、日本語版2冊がうまくかみ合って小さな花が咲くことを願っています。


  • 日本の古民家のリフォームされた玄関

  • ドイツのブロック積みの家

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「絵ことば」をお届けした職人さん方